予備試験ルートのススメ
現在学生の方には、なるべく早く学修を始めて、予備試験ルートで在学中の司法試験合格を目指すことをオススメします。ここで言う「学生」は主として大学生を指していますが、司法試験合格を志す高校生や専門学校生も含みます。また、法科大学院生も該当します。予備試験ルートで在学中の司法試験合格を目指すことをオススメする理由は、3つの大きなメリットがあるためです。
①経済的なメリット
法科大学院に関する費用がかからない
予備試験ルートで在学中に司法試験に合格した場合、法科大学院に入学する必要がなくなるため、法科大学院に関する費用が一切かからなくなります。
- 入試対策講座:内容により数万円~数十万円
- 受験料 :国立は3万円、私立は2~3.5万円
- 入学金 :国立は28.2万円、私立は20~30万円
- 授業料 :国立は241.2万円、私立は150~420万円 ※3年分
例えば、法学未修者が、司法試験予備校で法科大学院未修者コースの入試対策講座を受講し(仮に5万円とします)、国立の法科大学院を専願で受験し、入学後に標準修業年限の3年で修了した場合、合計で277.4万円かかることになります。大学新卒の初年度年収が200~250万円と言われていますので、かなり大きい金額であることが分かります。
合格後に中退すれば学費もかからない
また、予備試験ルートで在学中に司法試験に合格した後に、在学中の学校を中退すれば、卒業までの残りの期間の学費はかからなくなります。金額は残りの期間次第で変動しますが、数十万円~数百万円になると思います。ご自身の学校の学費に当てはめて計算してみてください。
合格後に中退して司法修習に進むことで、経済的なメリットがあるだけでなく、後述の時間的なメリットも増大しますが、反面大学などの学生生活が貴重な期間であることも事実であるため、天秤にかけて選択することになりそうですね。
法科大学院在学中に予備試験ルートで司法試験に合格した人は、迷わず中退で問題ないでしょう。実際に、優秀層は予備試験ルートで司法試験に合格して、法科大学院を中退しているという話はよく聞きます。
②時間的なメリット
実務経験を長く積むことができる
予備試験ルートで在学中に司法試験に合格した場合、同世代に比べて数年早く法曹になることができます。法曹としての能力は実務経験を通して磨いていくわけですから、たった数年が大きなスタートダッシュになります。社会人4年目の人と1年目の人の差を考えていただければ分かりやすいかもしれません。
専門性を高めるための自己投資ができる
あるいは、専門性を上げるための勉強時間に当てるのも良いでしょう。弁護士の場合は、他の専門的な資格を取得することで専門性を上げることができます。例えば公認会計士や中小企業診断士です。どちらも司法試験に合格していれば「科目免除」がありますので、効率的に受験することができます。志向性次第ですが、アメリカの弁護士資格取得に挑戦するなどの道も考えられますね。
司法試験に合格することで、弁理士、税理士、社会保険労務士などに登録することができます。ただ、司法試験では出題されない領域もありますので、補完的に勉強しておくと良いでしょう。
③キャリア形成上のメリット
分かりやすく言えば、弁護士としての就職に有利だということです。もともと、弁護士が法律事務所に就職する際は、
- 成績(司法試験や二回試験の成績)
- 学歴(出身法科大学院や出身大学)
が重視されてきました。大手渉外事務所などでは特にその傾向が強く、これらがなければ入所することができないという話は有名です。ただ、予備試験ルートでの早期合格であれば、成績は変わらず重視されると思われますが、学歴に関係なく大手渉外事務所に入所している方がいらっしゃいます。
民間企業でも、大手→中小→小規模と渡り歩くことは容易な反面、逆は困難であると言われていますが、法律事務所においても同じことが言えます。大手渉外事務所などを志望する方は、就職までを考えた合格の仕方を考える必要がありそうです。
在学中の早期合格事例
渡辺駿さんの事例
柏谷メソッドの受講者で、実際に予備試験ルートで在学中の司法試験合格を果たされた渡辺駿さんのインタビュー記事(動画あり)をご紹介します。高校3年生で司法試験合格を志して法律の学修を始め、大学2年次に19歳で予備試験に合格、大学3年次に20歳で司法試験合格を果たされた渡辺さんのご経験は、同じように司法試験合格を志す学生の方のお役に立つと思います。
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※司法試験に関する情報は変更される可能性があります。法務省等のサイトで必ずご自身でご確認ください。参考:https://www.moj.go.jp/barexam.html