予備試験は「最高の模擬試験」

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なぜ予備試験ルートが選ばれるのか?

司法試験法第4条により、法科大学院の修了と予備試験の合格がともに司法試験の受験資格として定められているにも関わらず、なぜ予備試験ルートが選ばれるのでしょうか?下記の典型的なパターンを念頭に置いて考えてみます。

  • 法科大学院での学修と自学自習で司法試験を受験
  • 司法試験予備校での学修と自学自習で予備試験に合格した上で司法試験を受験

なお、「予備試験受験者の方が能力や素養が高かったのではないか」という見方もありますが、個人の能力や素養の偏りは検証の仕様がないため考慮せず、あくまでルート別の学修内容という視点で考えることとします。

また、この記事は法科大学院の教育をひと括りにして否定するものではなく、より司法試験合格に近いルートを進むべきである、という趣旨であることを付記しておきます。

法科大学院ルートと予備試験ルートの合格率

合格率の違い

法務省の発表によれば、令和元年度司法試験の結果を法科大学院等別に分析すると、最も合格率が高かったのは「予備試験合格者」の81.82%でした。法科大学院の中で最も合格率が高かったのは「京都大法科大学院」の62.69%で、法科大学院全体では29.09%という結果になりました。また、法科大学院73校のうち13校は、残念ながら合格者を輩出することができませんでした。

令和元年度司法試験 法科大学院等別合格率 上位10

順位法科大学院等合格率
1予備試験合格者81.82%
2京都大法科大学院62.69%
3一橋大法科大学院59.82%
4東京大法科大学院56.30%
5慶應義塾大法科大学院50.67%
6愛知学院大法科大学院42.86%
7早稲田大法科大学院42.06%
8大阪大法科大学院41.07%
9東北大法科大学院38.46%
10名古屋大法科大学院37.31%

出典:法務省ウェブサイト
司法試験法科大学院等別合格者数等別(合格率順)」を加工して作成

なお、合格者が最も多かったのも「予備試験合格者」の315人で、合格者全体の20.97%を占めました。

合格率の差を生んでいる背景

予備試験ルートの合格率は、法科大学院ルートの合格率と比べて、約2.8倍も高いことが分かりました。また、法科大学院同士を比較してもかなり差があることが分かります。このような現状を生んでいる背景はどこにあるのでしょうか?それは「学修内容の違い」です。

司法試験は「実務家登用試験」であり、試されているのは「実務家として事件を処理する能力」であるわけですが、法科大学院ルートでは学修内容が司法試験で求められているものと乖離していることがあります。例えば、司法試験の過去問をテーマにしていても議論がズレてしまっていたり、本番では手書きでおよそ書ききれない必要十分を超えた分量の答案を書くことを求められたり、ということが起きています。

そのような法科大学院では、「単位を取得するための学修」と「司法試験に合格するための学修」を両立しなければいけないことになり、非効率的だと言わざるを得ません。このことが予備試験ルートと法科大学院ルートの合格率の差を生んでいるのです。

もちろん、全ての法科大学院あるいは教員の方がそうではありませんし、だからこそ法科大学院同士でも合格率に顕著な差があるのだと思います。しかし、法科大学院での学修方法によっては、かえって司法試験合格の弊害になり得ることは事実だと言えるでしょう。

予備試験が「最高の模擬試験」である理由

試されている能力が一緒

他方で、予備試験は「実務家登用試験の受験資格認定試験」であるため、試されているのは司法試験と同じく「実務家として事件を処理する能力」です。実際に、司法試験と予備試験は出題者が共通しており、問題も憲法・民法・刑法の短答式試験についてはおよそ8割程度が「同じ問題」です。また論文式に関してもテーマが被ることがあります。

そのため、予備試験は司法試験の「最高の模擬試験」であると言うことができます。予備試験対策を目的とした学修が司法試験対策を兼ねるため、とても効率的に学修を進めることができるわけです。柏谷メソッドの各講座では、司法試験対策として予備試験の問題も取り扱っています。

予備試験ルートの合格事例

渡辺駿さんの事例

柏谷メソッドの受講者で、実際に予備試験ルートで在学中の司法試験合格を果たされた渡辺駿さんのインタビュー記事(動画あり)をご紹介します。高校3年生で司法試験合格を志して法律の学修を始め、大学2年次に19歳で予備試験に合格、大学3年次に20歳で司法試験合格を果たされた渡辺さんのご経験は、同じように司法試験合格を志す学生の方のお役に立つと思います。

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※司法試験に関する情報は変更される可能性があります。法務省等のサイトで必ずご自身でご確認ください。参考:https://www.moj.go.jp/barexam.html

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