司法制度改革の流れ
過去の司法制度改革
2004年に法科大学院が設置され、2006年に新司法試験が開始されました。2014年には受験回数の制限が撤廃され、これにより、法科大学院の修了または予備試験の合格により受験資格を得て挑戦する、現在の司法試験制度の基盤ができ上がりました。
残された問題
残された問題として、法科大学院ルートで合格を目指す場合、司法試験に合格するまでに最低でも6~7年(大学4年+法科大学院2~3年)在学する必要があるため、時間的にも経済的にも負担が大きいことがありました。救済措置である予備試験ルートがあってもなお問題視されたことから、大きな問題と考えられていたことが分かります。
直近の司法制度改革
そこで、2019年には法学部等に「法曹コース」が設置され、最短5年(法学部等の法曹コース3年+法科大学院の既修者コース2年)の在学で合格を目指せるようになりました。また、2023年からは法科大学院在学中に司法試験を受験することが可能になり、合格までにかかる時間がさらに短縮されました。
この記事では法曹コースについて説明しますので、法科大学院在学中の司法試験受験についてはこちらをご覧ください。
法曹コースについて
法曹コースとは
法曹コースとは、法学部等を設置する大学が、法科大学院と連携して法科大学院の既修者コースと一貫的に接続する体系的な教育課程を編成し、学部段階からより効果的な教育を行うものです。法学部等を設置する大学と法科大学院の連携は、法曹養成連携協定の締結によって行われます。
同じ大学の法学部等と法科大学院が連携する場合だけではなく、法科大学院を持つ大学の法学部等と別の法科大学院を持つ大学の法科大学院の連携、法科大学院を持たない大学の法学部等と法科大学院を持つ大学の法科大学院の連携も存在します。法曹養成連携協定は毎年増加しているためここには書きませんが、興味のある方は文部科学省のサイトを確認してください。
一貫的に接続する体系的な教育課程の創意工夫
単に在学期間を短縮することが目的ではなく、法学部等の法曹コースと法科大学院の既修者コースを一貫的に接続する体系的な教育課程とすることで効果的な教育を行うことを目的としています。そのため例として以下のような創意工夫がなされています。
①授業で使用する教材の統一や少人数かつ双方向・多方向で行う科目の開設
②法科大学院における教育の導入としての科目の開設
③法律基本科目について、法曹コースに開設された基礎科目の履修にとどまらず、連携法科大学院が開設する応用科目の科目等履修や連携法科大学院と法曹コースによる共同開講科目として開設された応用科目の履修ができるようにすること
法曹コースから法科大学院への進学
法学部等の法曹コースと協定を結んだ法科大学院は、法曹コースの修了者を対象として特別選抜を実施します。特別選抜には「5年一貫型教育選抜」と「開放型選抜」があります。
「5年一貫型教育選抜」とは、協定先の法曹コースとの教育課程の連続性を重視し、法曹コースの成績、面接など、法科大学院が適当と認める資料により選抜する方法で、法律科目の論文式試験は課されません。
「開放型選抜」とは、法曹コースの成績、面接、法律科目の論文式試験など、法科大学院が適当と認める資料により選抜する方法で、協定を結んでいない法科大学院も受験することができます。
このほか、従来の一般選抜により進学することも可能です。
柏谷メソッドのオススメは?
柏谷メソッドでは予備試験ルートをオススメしています。詳しくはこちらの記事を参照してください。これは法曹コースができても変わりありません。なぜなら、予備試験ルートで合格を目指すのが最も時間的・経済的なメリットが大きいためです(法曹コースや法科大学院在学中の予備試験受験も含む)。
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※司法試験に関する情報は変更される可能性があります。法務省等のサイトで必ずご自身でご確認ください。参考:https://www.moj.go.jp/barexam.html