合格に必要な《法的思考》の効率的な学修方法とは?

社会人向けの記事

予備試験・司法試験の合格に必要な能力

《法的知識》と《法的思考》

司法試験は「実務家登用試験」であり、試験で試されているのは「実務家として事件を処理する能力」です。すなわち、実務家として事件を処理するために必要な《法的知識》と《法的思考》を備えていることが、予備試験や司法試験に合格するための鍵になります。現在の予備試験や司法試験は、闇雲に知識を詰め込んだり論証を暗記したりする方法では合格することはできません。

このことは、「法律知識ゼロから弁護士になる講座」の開講にあたりご説明している通りです。興味がある方はこちらの記事もご覧ください。

より具体的には何を意味するのか?

では、《法的知識》や《法的思考》とは一体何を意味するのでしょうか?身に付けようとする能力の理解が抽象的なままだと、学修を進める上で目標を見失ったり方向性を誤ったりすることになりかねないため、もう少し具体的に考えてみたいと思います。

この記事では《法的思考》について考えてみます。《法的知識》についてはこちらの記事をご覧ください。

予備試験・司法試験の合格に必要な《法的思考》

《法的思考》とは何か?

《法的思考》とは、既知の基本的知識(代表的な法令の規定、既知の法的論点の所在、既知の法的論点に関する判例・通説等の法解釈等)を用いて未知の事件を解決する力を意味します。より分かりやすく言えば、見たことがない問題を知っている知識を応用することで解決に導く思考能力です。リーガルマインドとも呼ばれます。

合格に必要な《法的思考》について

予備試験や司法試験の論文式試験では、常に皆さんが見たことがないような未知の問題が出題されます。したがって、既知の法的論点に関する既知の法解釈をただ丸暗記するような学修方法では、予備試験や司法試験の論文式試験を突破することはできません。それらを知識として知っていることを前提に、応用して未知の問題を解決してみせろと言われているのです。

もちろん既知の論点に関する既知の法解釈は法的知識として知っていなければいけません。むしろそれを知らなければ応用することができません。覚えるな、暗記をするなということを言っているわけではなく、出題意図を読み違えて暗記したものをただ吐き出すだけでは駄目だということです。

ではその応用が効く本質的な思考プロセスはどうしたら身に付くのでしょうか?法的思考の学修方法を振り返りながら考えてみます。

合格に必要な《法的思考》の効率的な学修方法とは?

従来の学修方法

既知の法的論点に関する既知の法解釈という具体的なケースを学ぶ中で、そこに未知の論点にも応用が効く本質的な思考プロセスという抽象的な存在が内在していることに気付く必要がありました。このように説明されれば、未知の論点にも応用が効く思考プロセスというものがあってそれを探すのだ、という気にもなると思います。しかし、そのような観点がない状態で自力で気付くためには一定水準の認知能力や発想力が必要で、これは難易度が高いことであると言えます。

もしかすると、論証を暗記して予備試験・司法試験に(あるいは旧司法試験に)合格したという方の中には、学修の途中で未知の論点にも応用が効く本質的な思考プロセス、すなわち《法的思考》の存在に気付き、身に付けた方がいらっしゃったのかもしれません。反対に、一生懸命論証を暗記したのに合格できなかったという方の中には、そこに気付くことができなかった方が多かったのかもしれませんね。

効率的な学修方法

最も効率的な学修方法は、未知の論点にも応用が効く本質的な思考プロセスの存在を誰かに教えてもらうことだと考えます。身も蓋もないと感じるかもしれませんが、自分で気付くことが困難なのであれば分かる人に教えてもらうのが一番の近道です。一度立体視のピントを合わせられるとその後立体視ができるようになるように、アハ体験を経ることでその後は自力で気付くことができるようにもなるでしょう。この場合、分かる人=合格者というわけではなく、言語化して解説できる人である必要があります。

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柏谷メソッドでは、既知の基本的知識の学修を別途進めていることを前提として、講義を繰り返し聞いて柏谷が解説した思考プロセスをトレースすることで、自然と法的思考が身に付くように設計しています。何度も繰り返し聞いているうちに慣れてくると倍速で視聴することができるようになり、より短時間で学修を進めることができるようになることもポイントです。

これはテクニカルな受験指導ではなく、未知の論点にも応用が効く本質的な思考プロセスを身に付けるための方法論(メソッド)であり、これまでに多くの合格者を輩出している非常に有効な方法です。

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※司法試験に関する情報は変更される可能性があります。法務省等のサイトで必ずご自身でご確認ください。参考:https://www.moj.go.jp/barexam.html

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